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三線の取扱い方

◆ウマの立て方◆
 三線を弾くには、まずウマ(駒)を立てなければなりません。ここで注意すべきことがいくつかあります。

 1.ウマの向き
 竹製のウマには表と裏があり、色の濃い皮のほうが表ですので、こちらを棹の方に向けて立てます。ほんの少しですが傾いていて、倒れづらいようになっています。

 2.立てる位置
 太鼓の糸掛けから指三本分くらいのところに立てます。指三本といっても指の太い人、細い人がいるではないかといわれそうですが、大体の見当です。太鼓の長さでいえば、三分の一ぐらいのところです。立てる位置には音色との関係で好みがあります。やわらかめの音が好きな人は、太鼓の真ん中寄りに、固めの音が好みの場合には、糸掛けに近いほうに立てます。民謡の歌い手の多くは真ん中より、古典の先生方は糸掛けに近いほうを選ぶ傾向にあります。

ウマの位置1 ウマの位置2

 3.立て方
 とくに本皮の三線の場合には、立てるときにウマの足で皮の表面を傷つけないように注意してください。三線を横向きに置き、棹と太鼓(チーガ)のくっつくところ(野坂といいます)で弦の下に左手の人差し指を入れ、弦を持ち上げてウマを立てる位置まで指を滑らせます。ウマが入る高さまでしっかり弦を持ち上げつつ、適当な位置にウマを立てます。微調整するときにも弦を指で持ち上げて、ウマの足を皮の上で滑らせることのないようにします。

ウマの立て方1 ウマの立て方2 ウマの立て方3

◆カラクイの扱い方◆
 次にチンダミ(調弦)をしますが、この時のカラクイの扱い方にも注意が必要です。三線のなかで一番弱いところですから、くれぐれも無理をしないで、軸を中心に回すように心がけます。

 1.女弦(ミージル)
 チンダミはミージルから始めます。始めは全部の指で握ってもいいですが、チンダミが合ったら、棹の反対側の親指を掛け、小指でカラクイの頭を押さえて、押し込むように決めます。この時、あまりきつく押し込まないように注意します。あんまりきつく押し込んだために回らなくなり、無理に回そうとしてカラクイを折ってしまうケースがあるようです。逆に弱すぎると今度は弾いている時にくるくるっと弦がゆるんだりします。きつくなく、弱くなく、適度に押し込んでください。

 2.中弦(ナカジル)
 次はナカジルですが。ナカジルも、チンダミが合ったら小指を棹の反対側に掛け、親指でカラクイの頭を押さえて、押し込むように決めます。

 3.男弦(ウージル)
 最後にウージルです。始めのうちはミージルの次にナカジルよりウージルからチンダミするほうがやり易いかもしれません。ウージルはミージルと同じように親指・小指を掛けて押し込んで決めます。

 いずれの弦も、慣れてきたら初めから親指・小指は棹とカラクイの頭を押さえながら回せるようになります。

女弦 中弦 男弦

◆三線の置き方◆
 「壁に立てかけていたら、すべって倒れてカラクイが折れてしまいました」というお話を連続して聞かされたことがあります。また「居酒屋で酔っ払いに踏まれて棹が折られました」という恐ろしいお話も先日耳にしました。踏まれて折られる話ははじめてでしたが、お座敷で演奏するときなど、三線の置き場所、置き方には気を遣います。稽古場でも一休みするときなど、うっかりするとテーブルから滑り落ちそうになって慌てることがあります。

 置き場所としては、テーブルの上に載せて置くのが一番です(とくに踏まれないためには)が、工工四などいろいろ置いてあって無理な場合があります。テーブルに立てかける場合は、棹の柄の部分をテーブルの縁に載せると滑りやすいので、棹の先の部分がテーブルに載るように立てかけます。

 壁に立てかけるのは不安定なのでお勧めしませんが、どうしてもそうせざるを得ない場合は、三線の表が壁側になるように立てかけます。少しは滑りにくくなると思います。

置き方1 置き方2

◆三線の仕舞い方について◆
 三線を弾き終わって仕舞う時には、弦は緩めずに、ウマだけを寝かせて、ケースなりに入れて仕舞ってください。弦を緩めると、調弦しても弦が伸びて音の変化が出やすくなります。

 ケースに入れる前にしてほしいのは、手油で汚れた棹を柔らかい布(タオルや日本手拭いなどでけっこうです)で拭いてあげることです。いつも漆がピカピカになるようにしてあげてください。

 とくに本皮の三線はしまい込んで放って置かれるのが一番つらいことです。皮の乾燥が進みすぎて破れる原因にもなりかねません。一週間に一度でもいいですから弾いてあげてください。弾けば弾くほど腕も上がるし、音も良くなる、破れる不安もなくなるという、一石三鳥です。大切にしまい込むのではなく、大切に弾きまくってください。

◆三線の弦の張り替え方について◆
 よくお問い合わせのある弦の張り替えについて、当店のやり方をご紹介します。弦の張り替えが手早くできるようになると三線も一段と身近なものになりますので、怖がらずに挑戦してください。

 まず、切れた弦を三線からはずします。初めて張り替えをする場合は、糸掛けにどんなふうに巻きつけてあるのかをよく観察してください。良い観察は上達への第一歩です。

 次に、新しい弦を取り出して、結んであるこよりを解き、リンクル(くびれ)を作らないように伸ばして、両端を持ってピンピンとよく引っ張ります。リンクルができるとそこから切れやすくなりますので、注意が必要です。

 それから、糸掛けに弦を通し、先端を3cmくらい折り曲げてから、糸掛けの下から一巻きしてできた輪の中へ曲げた部分を下から入れ、弦を引いて締めます。ここが難所。弦は長めにできていますから、余裕をもって輪を作ってください。また、ここでもなるべくリンクルができないように注意します。弦の反対の端を引いて強く締めてください。

 反対側の弦の先を、カラクイの穴に入れて巻きつけます。カラクイの細いほうから太いほうへきれいに巻き取ってください。これは、カラクイを糸蔵のほうへ引っ張るようにするためです。

 最後に、弦をしごきます。歌口のほうから、人差し指と中指を弦の下に入れ、親指で弦の上からしごきながら、糸掛けのほうへ指をずらしていきます。なるべく弦全体をまんべんなくしごきます。これは、弦の馴染みをよくするためで、チンダミしたときに音程が変わるのを少しでも防ぐためです。一応チンダミして弾いてみて、弾いているうちに音程が変わっていくようでしたら、音程の変化が少なくなるまで、何回かしごいてください。

 女弦と中弦の張り替えでカラクイに巻き取るのは比較的楽なのですが、男弦の場合、中弦がじゃまになってしまいます。この時は、中弦をゆるめて歌口からはずし、男弦を巻き取ってから、あらためて中弦を巻き直してください。

 バチの当たる部分や、指で押さえる勘所の部分が毛羽立ったり、つぶれたりしてへたってきているとか、演奏会が迫っているということで、三本全部張り替える時には、糸掛けに三本全部を縛ってから張り替えるということもあります。三線製作の職人さんは、よくこういうやり方で手早く張り替えます。

 慣れてきたらどなたにもできるとは思いますが、一本一本張り替えてもそんなに時間のかかることではありませんから、糸掛けまではずしてやらなくてもいいと思います。女弦、男弦、中弦の順に張り替えていけば、スムーズに張り替えができるでしょう。

張り替え方1 張り替え方2

三線について

沖縄三線の選び方・取扱い方・調弦(チンダミ)・弾き方・用語集など


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